ここでは、Ubuntu 24.04を例に、PostgreSQL(オープンソースのリレーショナルデータベース管理システム)をインストールして、簡単な初期設定を行う流れをやさしくかつ詳しく解説します。
大まかな流れとサンプルについては、以下のページを参考にしています。
How to Install PostgreSQL on Ubuntu 24.04 | Vultr Docs
1. 事前準備
(1) Ubuntuサーバーへのログイン
- まずは、SSHなどを利用してUbuntu 24.04サーバーに接続します。
- rootユーザーを直接使うのではなく、sudo権限を持つ非rootユーザーで作業するのがおすすめです。
- WSL を使っている場合は、サーバーログインの必要はありません。
(2) システムの更新
インストール前に、サーバー内のパッケージを最新の状態にしておきましょう。
sudo apt update
sudo apt upgrade -y
2. PostgreSQLのインストール
(1) postgresql-common のインストール
Ubuntuには、PostgreSQLインストール用のスクリプトや設定がまとめられたpostgresql-common
というパッケージがあります。これをまず入れます。
sudo apt install -y postgresql-common
(2) PostgreSQL専用APTリポジトリの有効化
postgresql-common
パッケージに含まれているスクリプトを実行すると、PostgreSQLの公式APTリポジトリを自動で追加できます。
sudo /usr/share/postgresql-common/pgdg/apt.postgresql.org.sh
- プロンプトが表示されたら、
Enter
を押して進めてください。 - このスクリプトによって、Ubuntu 24.04向けのリポジトリが追加され、より新しいバージョンのPostgreSQLをインストールできるようになります。
(3) PostgreSQL本体のインストール
公式リポジトリが有効になったら、postgresql
パッケージをインストールします。
sudo apt install -y postgresql
(4) PostgreSQLの起動と動作確認
インストールが完了すると、自動的にPostgreSQLサービスが登録されます。念のため再起動して、ステータスを確認します。
sudo systemctl restart postgresql
sudo systemctl status postgresql
Active: active (exited)
と表示されていれば、正常に起動されています。

3. PostgreSQLの基本的なセキュリティ設定
PostgreSQLには、デフォルトでpostgres
という管理ユーザー(スーパーユーザー)が作成されます。
ここでは、このpostgres
ユーザーにパスワードを設定し、また新しいユーザーを作成して認証方式を変更する方法を紹介します。
(1) postgres
ユーザーでログイン
PostgreSQLにログインするには、まずOS上でpostgres
アカウントに切り替えてpsqlコマンドを実行するのが基本的な方法です。
sudo -u postgres psql
- このコマンドを打つと、
psql
というPostgreSQLの対話型コンソール画面に入ります。 - 画面上では、
postgres=#
のような表示になったら成功です。
(2) postgresユーザーのパスワード設定
psql
コンソール上で以下のコマンドを入力し、パスワードを強固なものに設定します。
ALTER USER postgres WITH ENCRYPTED PASSWORD 'strong_password';
strong_password
は実際には英数字・記号を組み合わせた推測されにくいパスワードを指定してください。
(3) 新しいユーザーの作成
アプリケーションごとにユーザーを分けて管理するのが望ましいので、例として db_manager
という新しいユーザーを作り、パスワードを設定します。
CREATE USER db_manager ENCRYPTED PASSWORD 'strong_password';
(4) psql コンソールの終了
これでユーザー設定は完了ですので、psql
を終了します。Ctrl-d
もしくは \q
を入力します。
(5) 認証方式の変更
Ubuntuで初期インストールされたPostgreSQLでは、ローカル接続に対して「peer認証」が使われる設定になっていることが多いです。これを「パスワード認証」に変更すると、PostgreSQL利用時にIDとパスワードを求められるようになり、より安全になります。
pg_hba.conf
ファイルの編集/etc/postgresql/バージョン番号/main/pg_hba.conf
を書き換えたいのですが、ここでは一括置換の例を示します。sudo sed -i '/^local/s/peer/scram-sha-256/' /etc/postgresql/17/main/pg_hba.conf
- バージョン番号(17の部分)は、インストールしたPostgreSQLのバージョンによって変わる可能性があります。
/etc/postgresql/
配下を確認してください。 peer
がscram-sha-256
というパスワード認証方式に置き換えられます。
- バージョン番号(17の部分)は、インストールしたPostgreSQLのバージョンによって変わる可能性があります。
- PostgreSQLの再起動
sudo systemctl restart postgresql
以上でパスワード認証が有効になりました。
4. PostgreSQLデータベースへのアクセス
(1) psqlコマンドでのログイン
先ほど作成した db_manager
ユーザーでログインテストをしてみます。
sudo -u postgres psql -U db_manager -d postgres
-d postgres
は、デフォルトで用意されているpostgres
データベースに接続したい場合の例です。- パスワードを聞かれたら、先ほど設定したパスワードを入力してください。
(2) データベースの新規作成
実際に新しいデータベースを作ってみましょう。
ここでは、アプリケーション用に hospital
というデータベースを作る例を示します。
sudo -u postgres createdb hospital -O db_manager
-O db_manager
は、このデータベースのオーナーをdb_manager
ユーザーに設定するオプションです。
(3) 作成したデータベースへアクセス
sudo -u postgres psql -U db_manager -d hospital
hospital
データベースにdb_manager
ユーザーで接続します。
5. 簡単なテーブル作成とデータ操作
psql
コンソールに入った状態で、実際にテーブルを作ってデータを登録してみます。
(1) doctorsテーブルの作成
CREATE TABLE doctors (
doctor_id SERIAL PRIMARY KEY,
first_name VARCHAR(50),
last_name VARCHAR(50),
appointment_date DATE
);
doctor_id SERIAL PRIMARY KEY
は、自動的に連番を振る列を定義します。
(2) サンプルデータの追加
INSERT INTO doctors (first_name, last_name, appointment_date)
VALUES
('Ben', 'Joe', '2024-11-15'),
('Carson', 'Smith', '2024-02-28'),
('Donald', 'James', '2024-04-10');
(3) データの確認
SELECT * FROM doctors;
- 入力したデータが表示されれば成功です。
(4) psqlコンソールの終了
作業が終わったら \q
で終了できます。

6. まとめと公式ドキュメント参照
このガイドでは、
- サーバーの更新
- PostgreSQLリポジトリの追加とインストール
- パスワード認証の設定とユーザー作成
- データベースとテーブルの作成、およびデータ操作
という流れで、Ubuntu 24.04におけるPostgreSQLの導入と基本操作を解説しました。
さらに詳しい設定や運用方法については、PostgreSQL公式ドキュメントを参照してください。公式ドキュメントには、バックアップとリストア、レプリケーション、性能チューニングなどの高度な情報も網羅されています。
よくある質問
Q. パスワード認証を設定したのにログイン時にパスワードを聞かれないのですが?
A. pg_hba.conf
の設定がうまく反映されていない可能性があります。行の頭にあるlocal
やhost
の行を見直し、scram-sha-256
などの記述が正しく適用されているか確認してみてください。設定変更後はpostgresql
の再起動をお忘れなく。
Q. psqlコマンドが見つからないと言われました。
A. postgresql
パッケージをインストールすると自動的に入るはずですが、パスが通っていない場合があります。which psql
コマンドでインストール先を確認してみてください。通常は/usr/bin/psql
に存在します。
上記の手順を順番に実施していけば、初心者の方でもスムーズにPostgreSQLをインストールして利用を始められます。ぜひ試してみてください。
参考ページ
How to Install PostgreSQL on Ubuntu 24.04 | Vultr Docs