本当に売り手市場なのか

一般的には、現在の日本の労働市場は売り手市場といわれています。就活をしていると、本当に売り手市場なのかと考えるので、データ分析で調べてみることにしました。

上記では、日本の有効求人倍率と失業率を求めてみました。有効求人倍率が1を超えると、求職者よりも求人のほうが多いことを示し、売り手市場であることを示します。失業率が低ければ、労働市場に求人があり、売り手市場であるということを示します。
就活氷河期であった、1990年前後は値が大きく動いていますが、それを除けば、現在の日本の有効求人倍率は、2014年から1を超えています。更に、失業率は2010年から減少傾向にあります。
このことから、日本が売り手市場であることは、ある程度データに表れているようにも見えます。

さらに、Jammviでデータ分析をしてみました。
昔と現在で、有効求人倍率が1変化したときの失業率の変化値を比較しました。
もし、現在のほうが、有効求人倍率の変化に対して、失業率の減少が大きければ、労働市場において、労働者側が仕事を得やすい=売り手市場である、ということを証明できるのではないかと考えました。

回帰分析(1980年~2001年)

モデル適合度指標
モデルR
10.5560.309
モデル係数 – 有効求人倍率(前)
予測変数推定値標準誤差tp
切片1.2580.16847.47< .001
失業率(前)-0.1640.0548-2.990.007


失業率が1変化すると、有効求人倍率が-0.164変化する。

線形回帰(2002年~2023年)

モデル適合度指標
モデルR
10.9390.881
モデル係数 – 有効求人倍率(後)
予測変数推定値標準誤差tp
切片2.2470.103721.7< .001
失業率(後)-0.3230.0266-12.2< .001


失業率が1変化すると、有効求人倍率が-0.323変化する。

このことから、現在のほうが、失業率の減少の幅が大きいため、労働者側が仕事を得やすいのではないかと、考えられます。

売り手市場なら、もっと就活も楽になってくれればいいです。